本記事の内容
(1)観点を整理する
(2)「業界」の基礎知識(おすすめの業界)
(3)「職種」の基礎知識
(4)企業の規模のメリデメをおさえる
(5)あなたの転職の「軸」を整理する
私はサラリーマン経験10年(銀行員6年、金融IT営業4年)のブロガー兼ライターです。
新卒で銀行に就職し業務経験を積んだのち、現在の勤め先である金融ITサービスを提供する企業に転職しました。結論、私は転職をして本当に良かったです。
表面的に労働条件がよくなっただけではありません。仕事で受ける刺激が「良いサイクル」を生み出し、生活全体の質を底上げしています。「充実感を持って生活をする」にはこの感覚が大切だと気づきました。
この記事は未経験分野への挑戦として「転職」を考え始めたあなた向けに書きました。
少しでもあなたの参考になれば嬉しいです。
Contents
未経験分野への挑戦【転職どうやって考える?】
(1)観点を整理する
「転職」について考えていく上で、まずここに書いたポイントから整理しましょう。この観点で「現状の確認」と「今後の希望」を整理しておくと軸がぶれづらく、良い決断につながります。
✓業界
✓職種
✓企業の規模
業界
「業界」はその企業が取り扱うサービスによって分類されます。モノ作りから販売やサービス提供に至るまで、さまざまな業界があります。その役割は様々です。
この2つを確認しておきましょう。
・現在あなたが属している業界
・今後あなたが希望する業界
職種
職種とは業務内容の分類です。実際に従事する仕事の内容を指します。
この2つを確認しておきましょう。
・現在あなたが従事している業種
・今後あなたが希望する業種
企業の規模
企業の規模の定義は「何名以上で法律上大企業と呼ぶ」等の条件はあるものの、ここにこだわる必要はありません。大企業と中小企業それぞれの特徴(メリット/デメリット)を整理して「転職先は今勤めている会社より、大きい企業が良いか、小さい企業が良いか」と考えて行きましょう。
一般的な大企業と中小企業の違いを、後ほど整理します。
以降は「業界」と「業種」から代表例と合わせて解説していきます。
(2)「業界」の基礎知識(おすすめの業界)
まず「業界」の基礎知識です。
業界の種類
業界を大きく分けるとその役割から「メーカー」「商社」「小売」「金融」「サービス」「ソフトウェア・通信」「マスコミ」「官公庁・公社・団体」の8つに大別できます。
メーカー
「メーカー」は原材料などを加工し製品を開発・生産し提供します。自動車や家電などの「耐久消費財メーカー」、日常生活で使用する商品などの「生活用品メーカー」、鉄鋼や繊維、自動車・電子部品、半導体などの素材の「原料・部品メーカー」、OA機器や医療機器、プラント設備などの「機器・機械メーカー」などのさまざまなメーカーがあります。
商社
「商社」は輸出入貿易でメーカーから仕入れた商品を小売店などに販売し収益を上げます。あらゆる分野の商品サービスを取り扱う「総合商社」、特定の分野の商材を取り扱う「専門商社」があります。
小売
「小売」とはメーカーや卸売業者から仕入れた商品を、消費者に販売します。「百貨店」、「スーパーマーケット」、「コンビニエンスストア」、特定の商品を取り扱う「専門店」などがあります。最近では店舗やインターネットを連携させるようなアプローチも主流になりつつあります。
金融
「金融」はさまざまな業界と密接な関わりを持ちながら経済を支えます。預金や、資金や融資を行う「銀行」、株券売買や、企業買収の仲介などを行う「証券」、生命保険や損保保険などで個人・企業の保険料などを運用する「保険」などがあります。
サービス
「サービス業」は個人や企業が求めているサービスを提供します。旅行やフード、教育などを提供する「B2Cサービス(個人にサービスを提供)」、人材などを提供する「B2Bサービス(企業にサービスを提供)」、運輸などを提供する「B2B2Cサービス(個人と企業にサービスを提供)」などのさまざまなサービスが存在します。時代に合わせた新しいサービスの出現が目覚ましい業界です。
ソフトウェア・通信(IT)
「ソフトウエア・通信(IT)」は、情報の伝達や処理・加工に関わるサービスを提供します。企業経営に関わるシステムなどを開発する「ソフトウエア」、利用者にとって有益なコンテンツやニュースを提供する「インターネット」、通信ツールを開発・提供する「通信」などがあります。業界の規模も大きく、拡大中の業界です。
マスコミ
「マスコミ(マスコミュニケーション)」とは、世の中にある情報を多くの人に伝えています。音声、映像、文字などの情報を伝える「放送」、ニュース情報などを紙面を通じて伝える「新聞」、書籍や雑誌などを発行し、書店やネット通販で販売する「出版」、商品やサービスなどのメッセージをメディアを通じて伝える「広告」などがあります。
官公庁・公社・団体
「官公庁」は、国と地方公共団体の役所を指し、中央省庁や裁判所、国会、日本銀行などを含みます。「公社・団体」は地方公共団体や学校、病院など社会の中で民間ではできない公的な事業を行う団体です。
以上が業界の分類の基礎知識です。
おすすめの業界
キャリアアップを目指す転職であれば「規模が大きく、拡大中」の業界に身を置くことをおすすめします。
どの業界が「規模が大きく、拡大中」なのか。どの業界が「成長しているのか」を考えましょう。
思い浮かんだでしょうか。そうです。
今、真っ先に思い浮かんだのか「ソフトウエア・通信(IT)」つまり「IT業界」だという方は多いでしょう。
今やどのような業界もITなくしては「成長」はもとより「維持」すら難しいです。あなたの生活も、多くのIT技術に支えられていることが実感出来るはずです。ITは、すでにその存在感を感じることが難しいくらい、私たちの生活の一部に溶け込んでいます。
未経験分野への挑戦や転職を考え始めているのであれば、ぜひ「IT業界」を選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。IT業界に関しては、もう少し詳しい記事を書いてますので、こちらの記事も合わせてどうぞ。
(3)業種の基礎知識
次に「業種」の整理をします。
「業種」の種類
職種は細分化を進めていくと、その種類は多岐に渡ります。
正直キリがない(笑)ので、ここでは代表的な大きい分類として「営業系」「事務系」「技術系」「専門系」にまとめています。
営業系
「営業系」の職種は、自社の商品やサービスなどをアピールして売り込み、契約を取ってきたり利用を促したりする仕事です。
事務系
「事務系」の職種は、データ入力や書類作成、来客・電話応対などの業務の他に、業種によって専門的な知識やスキルが必要になります。また経理や総務といった役割は、さらに企画的な視点やスキルを持ち合わせていれば、強みになると考えます。
技術系
「技術系」の職種は、専門性を求められる仕事であることが特徴です。いわゆる「職人」をイメージします。ものづくり
をしていく上での主幹の役割をします。メーカー(電気製品)に勤めてものづくりに従事する「ハードウェア系技術職」、プログラミングなどコンピュータ系のスキルで戦う「IT系技術職」、化学・食品・産業製品・薬学などの「開発職系技術色」、住居や建物の設計などに関わる「建築系技術職」などです。
専門系
「専門系」の職種は文字通り、専門的な分野に特化していることが特徴です。「資格・免許」とひもづくことが多いです。公認会計士、医師、歯科医師、獣医師、弁護士などです。システムエンジニアやデザイナーを含める場合もあります。
自分にあった「職種」を選ぶ
自分にあった「職種」を選ぶ際は「あなたの現在のスキル」分析をしておきましょう。どのような経験を積んできたかが、転職先でも使える場合があるからです。
例えば、いままで「営業系」の経験を積んできたのであれば「業界を跨ぐ転職」をしても、即戦力として仕事をしていけるようなことがあります。
かならずしもこれまでの経験を前提に、転職先を決めなければいけないということではありません。全く新しいことに挑戦ををていくということも、可能性を広げる意味で重要です。
ただし武器ともいえる「あなたの現在のスキル」をこのタイミングで整理し、職種選定の材料にしていきましょう。
(4)企業の規模のメリデメをおさえる
加えて一般的な「企業の規模」によるメリット・デメリットを整理します。
大企業のメリット/デメリット
大企業のメリットには、収入の安定や福利厚生の充実が挙げられます。また、転勤の可能性や裁量権があまりないことがデメリットです。ここでは、大企業のメリットとデメリットについてまとめました。
メリット
大企業で働くメリットは以下のとおりです。
収入が安定している
大企業は給与査定の基準が明確なことが多いです。昇給や賞与などの制度も整っているため、中小企業と比べると年収が高い傾向にあります。年収が高いと経済的な余裕が生まれるので、社員のモチベーション向上にもつながるでしょう。
福利厚生が充実している
充実した福利厚生も大企業の強みです。社会保険だけでなく、リフレッシュ休暇や家賃補助など、ワークライフバランスを考慮した取り組みをしている企業もあります。また、資格取得支援や段階別の研修といった教育制度も整っていることが多く、社員が知識を吸収しながら成長できる環境づくりが行われているようです。
社会的信用を得られる
大企業は知名度やブランド力があるので、社会的信用度が高いといえます。そのため、企業や個人間での商談を進めやすいのがメリットです。将来的に転職を考える場合でも、大企業のネームバリューが有利にはたらくこともあります。
キャリアビジョンを描きやすい
大企業では人材の育成制度が確立されているため、携わりたい業務や職種に合わせてキャリアプランを組むことが可能です。大企業ではどのようにステップアップしていくかが明確化されているため、目指すべき方向性を掴みやすいといえます。
デメリット
大企業で働くデメリットには、以下の内容が挙げられます。
転勤する可能性が高い
すべての職種に当てはまるわけではないものの、大企業は転勤をする可能性が高い傾向にあります。企業によっては、数年単位で転勤が発生する場合も。転勤を拒否する意見は、言い出しにくい風潮にあるのが現状です。転勤が決定すると、家族や友人と離れてしまう可能性もあるので注意が必要です。
若手のうちは裁量があまりない
大企業では部や課が細分化されているため、自分の担当する分野に特化した働き方をする人が多いです。若手のうちは下積み期間として裁量権があまりないことも考えられるでしょう。また、業務フローにおいて許可を取るべき上司が多く、柔軟に動くのが難しい場合もあります。
社員数が多く出世しづらい場合がある
大企業は社員数が多いので、出世の競争率が高い場合も。役職を目指したくても、少ない枠を多くの人員が狙っているのが現状です。社内での競争が激しいと、同僚や上司との人間関係が悪化する可能性もあります。
中小企業のメリット/デメリット
中小企業は、出世の競争率が低いことや広い分野の業務に携わりやすいのがメリットといえます。デメリットは、年収の少なさや将来性に不安があることです。中小企業のメリットとデメリットについては、以下をご参考にしてください。
メリット
中小企業のメリットには、以下のようなものがあります。
コミュニケーションが取りやすい
中小企業は従業員数が比較的少ないため、密なコミュニケーションを取りやすい傾向にあります。異動や転勤の機会も少ないので、人間関係の構築がしやすく、安定したチームづくりを実現できるでしょう。
出世の競争率が低い
中小企業ではライバルが少ないため、出世の競争率が低い傾向にあります。長く活躍するほど人材としての価値が高まるので、役職への道につながるでしょう。
若いうちからさまざまな仕事に携わりやすい
中小企業は少数精鋭で成り立っているところが多く、若手のうちから広い分野に携わりながら働くことが可能です。仕事に対して手応えを感じられるだけでなく、働きながらスキルを高められるのもメリットといえます。また、上司や経営側に意見しやすいので、業務への提案や要望も伝えやすいでしょう。
地元に密着した働き方ができる場合もある
中小企業の中には、地域に密着して事業を展開しているところもあります。特定の地域でビジネスを拡大するため、対面での営業や交渉をしやすいのがメリットです。地域密着ならではの強みを活かしながら、顧客との信頼関係を深めることで、着実に成果をあげられます。
デメリット
中小企業で働くデメリットは、以下のとおりです。
大企業に比べると年収が少ない
事業が安定している大企業と比較すると、年収が少ないのがデメリットといえます。中小企業は給与査定の基準が曖昧な場合があります。業績によっては、賞与が少ない、もしくは支給されないこともあるでしょう。
福利厚生が大企業に比べて充実していない
中小企業は少ない人数で経営しなくてはならないので、「有給を使いにくい」「制度を利用しやすい環境が整っていない」といった企業もあるのが現状です。中小企業は大企業ほど労働環境が整えられていない場合もあります。休暇制度や各種手当の支給があるのとないのとでは、働くことへの意欲にも差が生じるでしょう。
安定性や将来性に不安を感じる場合がある
事業の規模や範囲が小さいと、企業の将来性に不安を感じてしまう人もいます。また、地方によっては昔の考えのまま事業を進めているところもあるので、時代の流れや若年層との価値観の違いを感じることもあるでしょう。
以上を整理しておきます。
あなたの転職の「軸」を整理する
これまで整理した観点で軸を整理します。
まずは「現状の確認」です。
・現在あなたが属している業界
・現在あなたが従事している業種
・現在勤めている会社の規模
そして「今後の希望」を整理しましょう。
・今後あなたが希望する業種
・今後あなたが希望する業種
・現在勤めている会社より大規模/同程度/小規模
軸を整理出来ると転職先の選定もスムーズに進められます。
「現在」と「今後」でどれだけ変化を求めるのかは考えて起きましょう。
例えば「業界」も「業種」も「企業規模」も今までと全く違う企業への転職は、とても大きな変化になるはずです。また「業界」や「業種」は変えずに、人間関係やキャリアアップの意味で「企業規模」が違う会社へ転職するという判断もあるはずです。
「業界」「業種」「企業規模」のうち「この条件だけは外せない」ことを整理しておくことも大切です。ここはあなたの価値観が深く関係します。転職活動にあてられる期間や労力とのバランスを見ながら、しっかり「軸」を整理しておくことが、転職先で新しい仕事にしっかり取り組むコツです。
ここで私の経験から少し書きます。
私が経験したのは「金融業界(銀行員)」から「IT業界(金融ITサービス)」への転職でした。未経験の業界への転職ですが、成長している「IT業界」への転職です。業界をまたぐ転職でしたが「金融ITサービス」なので、元銀行員として「金融サービスのユーザーとしての体験と視点」を持っているということが、これまでも立つ瞬間がありました。このようにこれまでのスキルや、経験も転職先選定をするにあたり考慮できるといいと思います。
ちなみに職種は大きな枠では前職も現在も「営業系」の枠の中です。
企業規模を比較すると「小規模」な企業へ転職した格好です。現在の勤務先は正社員数が500名程度をこえるような規模感の会社です。雇用条件等はそこまで大きな変化はなかったものの、いくらか組織がコンパクトな分、私自身のアイデア次第で変えられることの範囲が増えました。これは働く上での「責任感」と「充実感」を生んでいることは事実です。
私は転職をしてよかったと、心から思っています。
まとめ未経験分野への挑戦【転職どうやって考える?】
特に未経験分野への挑戦としての転職を考え始めたあなた向けに、このような内容で記事をまとめました。
(1)観点を整理する
(2)「業界」の基礎知識(おすすめの業界)
(3)自分に合った「職種」をえらぶ
(4)企業の規模のメリデメをおさえる
(5)あなたの転職の「軸」を整理する
参考にしていただければうれしいです。
あなたの転職の「軸」の整理がすんだら、あとは「情報収集」と「自己分析」をすすめます。
「情報収集」は転職エージェントに登録をしてすすめるのがベターです。
「自己分析」は「就職活動」をしたことがあればすぐイメージが出来る”アレ”です。「人生やキャリアの棚卸し」とも言える作業なので、やっておいて損はありません。
詳しくはこちらに記事で紹介してます。よろしければどうぞ。
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以上、読んでいただきありがとうございます。
応援しています。