冒険とあなたの日常はかけ離れたものだろうか。
この本はあなたの日常と挑戦、冒険家の思考との共通点に気づかせてくれる。
考える脚 北極冒険家が考える、リスクとカネと歩くこと
著者:荻田泰永
おすすめの本【紹介:考える脚 北極冒険家が考える、リスクとカネと歩くこと】
<記事の構成>
・こんな方に読んでほしい【考える脚 北極冒険家が考える、リスクとカネと歩くこと】
・本書の構成【考える脚 北極冒険家が考える、リスクとカネと歩くこと】
・感想【冒険と日常】
こんな方に読んでほしい【考える脚 北極冒険家が考える、リスクとカネと歩くこと】
・行動できずに悩んでいる
・有名になるような人と自分はそもそものポテンシャルが違うと思う
・何かきっけがほしい
本書の構成【考える脚 北極冒険家が考える、リスクとカネと歩くこと】
■序
■第1章 冒険と無謀の狭間 ‐北極点無補給単独徒歩の挑戦(二〇一四年)
■第2章 未知への憧れ ‐カナダ~グリーンランド単独行(二〇一六年)
■第3章 資金の壁 ‐南極点無補給単独徒歩(二〇一七~二〇一八年)
感想【冒険と日常】
著者の荻田氏は北極冒険家だ。
北極点を目指す旅は文章で読むだけでも過酷。
極寒(マイナス40°にもなる)の中を100kgにもなるソリを引き、移動しながらのテント生活。
リードと呼ばれる氷の裂け目を見極めながらの進行。
ホッキョクグマ対策。
そんなところに単身乗り込む挑戦を続けている著者。
さぞ屈強な精神の持ち主なんだろうと思いながら本書を手にとった。
”これから自分の身に降りかかるであろう困難に恐怖し、涙したことが、私には一度だけある”
意外にもこの一文から始まる。
人間的な感情や弱さについての葛藤の描写が印象的だ。
時には「自分はなぜこんなことをしているのか」という疑問とさえ向き合う。
いつの間にかこの冒険家に対し、共感に似た感情が湧いていくる。
そしてそれでも北極や南極に向かい、挑戦を続ける姿が私を勇気づけた。
もちろん「冒険」と「自由」のロマンも描かれている。
この本から私が得た学びは多い。
・湧き上がる恐怖とどのように向き合うべきか
・自分の影響の及ぶ範囲を見極めることの重要性
・的確に状況を把握し、客観的な事実に基づく判断の重要性
・事実を歪曲し希望的な憶測をしてしまいやすい人間特性を理解することの重要性
・時には撤退の判断をすることの重要性。その判断を拒もうとするものは何か
・”勝ち方”にこだわることの意味
自分の状況や、必要としているものによって様々な学びができる本であると思う。
極限の状況では、たった一つの気の緩みや誤認が文字通り命取りになる。
私たちが日常何気なくしている判断や決断。
それをその域に近づけることを意識しはじめると世界の見え方は変わる。
私が特に引き込まれところは、著者が冒険と出会った時のエピソードだ。
20代の頃バイトの休み日、なんとなくみていたTVで冒険家のインタビューが流れた。
それが著者の冒険の始まりだった。
いつもと変わらない日常の中にそういった出会いがあるのだ。
著者がその出会いの後とった行動は、出かけたり手紙を書いたりある意味誰でも思いつくようなもの。
ただし実際に行動を起こしそれを掴むのか、チャンスをものにできるかはそこで行動をするかどうかだ。
そう考えると、当たり前の毎日が意味のある時間に変わる。
今日も目の前に行動を開始するための材料があるのかもしれない。
きっとこの本はあなたの助けになるはずだ。
ではまた。