・・・「にわか感」も板についてきていい感じだ。では今日は「ケニア」について書く。最近のコーヒー事情(スペシャリティコーヒーとか、サードウェーブとか呼ばれるよな流れ)は「ケニア」抜きでは語れないくらい。そんな存在感が出てきている。
では結論。
・「ケニア」はアフリカを代表するコーヒー産地。
・その「風土」がケニアコーヒーに唯一無二の風味をつくっている。焙煎による味の変化を楽しめる。
・最近のコーヒー事情は「ケニア」抜きでは語れない。
コーヒー界における「ケニア」の存在感。
それは個性が強い「アフリカ勢」の中でも、今、ひときわ注目を集めている。
「コーヒー」という言葉から「苦味/コク」を連想する人にとっては”「ケニア」というコーヒーを飲む体験”は、それこそ「ケニア前」「ケニア後」と定義されるくらいのものになるかもしれない(もりすぎ?)
わたしはコーヒーを自分でドリップすることを習慣にしてから「手当たり次第」という感じで、いろいろなコーヒー豆を試している。
さまざまなコーヒーを飲むなかでも、はじめて「ケニア」を飲んだ時の衝撃。今も覚えている。
なかなか、これに迫るものはない。
ぜひあなたにも体験してほしい。
これが、新しいコーヒーの姿です。
Contents
ケニアの特徴【コーヒー豆の基本】
本記事の内容
◎特徴と焙煎により変わる味
◎「ケニア」の風土と豆の精製方法
◎「ケニア」が存在感を増す背景
◎まとめ
特徴と焙煎により変わる味
「ケニア」の特徴はなんと言っても
・アフリカらしさを感じる強い風味
・しっかりとしたボディと甘み
もちろん"ストレート"でも楽しめる味。
そして"ブレンド"しても消えない個性が重宝される。
その風味は「柑橘系やベリー系の爽やかな酸味」と表現されたりする。
浅煎りでも、深煎りでも、このしっかりとした酸味を楽しめる。
ただ「煎り具合」による全体的な味の変化を楽しめるのも、この「ケニア」の特徴でもある。
浅煎り:柑橘系のような酸味
浅煎り~中煎りの場合は「カシス」や「グレープフルーツ」のようなシャープな酸味がはっきりと感じられる。後味の爽やかなコーヒーが出来上がる。
酸味と上品な風味というケニアの魅力をよく引き出せるのはこのあたりの焙煎で、特にサードウェーブコーヒーと呼ばれる流れでは比較的浅煎りで飲むことが多い。
中~深煎り:力強いコクと甘味
浅煎り~深煎では、浅煎りのとくらべると酸味が程よく抑えられ、苦味とともに力強く上品なコクと甘味がでてくる。
浅煎りとくらべると、長めの余韻が感じられ、がらりと雰囲気が変わる。
個人的には、浅煎りも深煎りも豆の個性を楽しむために「ブラック 」で飲むのがおすすめです。
アイスコーヒーで飲んだり、ミルクとの相性もいいのでバリエーションが増やせる。
こんな感じで楽しめるのが「ケニア」だ。
「ケニア」の風土と豆の精製方法
ケニア(正式にはケニア共和国)はこんな国
首都:ナイロビ
言語:スワヒリ語、英語
民族:キクユ族、ルヒヤ族、カレンジン族、ルオ族、カンバ族等
宗教:伝統宗教、キリスト教、イスラム教
面積:58.3万km2(日本の約1.5倍)
人口:4,970万人(2017年:国連)
もしかすると日本人がイメージする「theアフリカ」は「ケニア」かもしれない。
アフリカ大陸の東に位置し、南東部はインド洋に面している。
国土の大部分は標高1,100~1,800mの高地。
東アフリカ諸国の玄関口として、地域経済の中心的役割も担っている。
コーヒーの他にも、茶、園芸作物などの農産物生産を中心とする農業国。
とくに「コーヒー生産国」としての管理が整備されており、品質や生産量が安定している点が特徴。
ケニアの気候
・年に2回の雨季があり降雨量が多い。
・赤道にもほど近いケニア山周辺の高山地帯では日中と夜間の寒暖差が大きい。
つまるところ「コーヒーの栽培に適した気候」といえる。
特に寒暖差が大きいと、コーヒー豆が厳しい気候に適応する過程で、風味がよくなると言われている。
ウォッシュド(精製方法)
ケニアのコーヒーの90%は「ウォッシュド」で精製されている。
「ウォッシュド」とは、水洗い処理のこと。
文字通り水で洗って、コーヒーの実から種を取り出す方法。
ザクッと手順はこの通り。
(1)コーヒーチェリーの皮をはぐ
(2)水をためたタンクで数時間から数十時間発酵させる
(3)洗い流す
(4)乾燥させる
この精製法によって、酸味を際立たせ、繊細な風味を引き出せる。
素材由来の味わいを活かすのに適しており「ケニア」のポテンシャツが十分に生かせる最適な精製法といえる。
「ケニア」が存在感を増す背景
「ケニア」が存在感を増す背景としては、2つの潮流(つまりブーム、流れ)をおさえておく。
超絶カンタンになんとかまとめてみる(また別記事で解説します)
・スペシャリティコーヒー
・サードウェーブ
スペシャリティコーヒー
『スペシャリティコーヒー』とは・・・
コーヒーを高品質で持続可能なものにするため、品質管理や生産体制の新しいあり方を目指し生まれた概念。
この概念が生まれる前の「大量消費の時代」のコーヒーに象徴されるのは「消費者へとにかく低価格なコーヒー豆を供給するための仕組み。
コーヒーの低価格競争は「生産者の賃金の低下」と「担い手の減少」を引き起こす。
そうなるとコーヒーの品質が悪化し、結果的に、消費者の「コーヒー離れ」という流れがうまれる。
そこでコーヒーそのもののあり方を見直すために「スペシャルティコーヒー」という概念がうまれてきた。
生産者・農園を守り、かつ高品質なコーヒー豆を消費者へ供給するにはどうすればいいか?
この疑問に答えるために「品質を良くする」という方向に、時代がシフトしている。
近年、ケニアのコーヒー豆がスペシャルティーコーヒーの世界で欠かせない存在となっている理由の一つは、その品質にある。
「ケニアの豆は品質が高い」というのはスペシャルティーコーヒーに注目する国では、もはや常識。
高品質の豆が収穫できる理由のは、早くから品種研究を重ね、管理体制を整えてきた歴史があるから。
世界初のコーヒー研究機関「コーヒー研究財団」の管轄下には「ケニアコーヒーカレッジ」が設置されている。
品質を高める様々な取り組みが行われ、種の段階や生産処理からカッピングテストといった細部まで、システム的に管理されている。
こういったことから、スペシャリティコーヒーを語る上でも「ケニア」は象徴的な存在となっている。
サードウェーブ
『サードウェーブ』とは・・・
年代を表現する「コーヒーの3つの波」の1つです。
年代別の波の概要はこんな感じ。
| 年代 |
日本への到来 |
特徴 |
ファーストウェーブ |
19世紀 |
1960~1990年代後半 |
・大量生産と大量消費を重視 ・浅煎り嗜好 |
セカンドウェーブ |
1960年代 |
1996年 |
・シアトル系カフェ ・深煎り嗜好 |
サードウェーブ |
1970~2000年代初頭 |
2015年 | ・コーヒーを飲む「体験」の重視 ・浅煎り嗜好 |
直近の波が「サードウェーブ」
1970年から2000年初頭から発祥したこの潮流はノルウェーのオスロから始まった。
独特なコーヒー哲学を持ったサードウェーブの担い手(サードウェーバー)の理念が瞬く間に世界に波及した。
日本には2015年ごろ、本格的に到達しブームとなった。
『サードウェーブ』を端的に表現してみると・・・
コーヒーを飲む「体験」を重視する哲学。
目の前にあるコーヒー豆のストーリー(どの農場で作られて、どのように一杯のコーヒーになったのか)を知り、単に「飲む」だけでなく「楽しむ」という「体験」に変えていく。
そこで重視されるのが「コーヒー豆本来の個性」だ。そのため、豆が持つ個性をハッキリと感じるために「シングルオリジン」「浅煎り」というキーワードがサードウェーブを語る上で重要になってくる。
サードウェーブを語るのはこれくらいにしておく(また別記事で解説する!)
「コーヒ豆本来の個性」を語るときに「ケニア」の存在は群をぬいている。
浅煎りで入れた時、しっかりと感じる「柑橘系やベリー系の爽やかな酸味」は、サードウェーブという潮流の中でもかなりの存在感がある。
「サードウェーブ」と「ケニア」
切っても切り離せない関係といえる。
まとめ
ケニアの特徴【コーヒー豆の基本】
◎特徴と焙煎により変わる味
特徴はアフリカらしさを感じる強い風味
浅煎り:柑橘系のような酸味
中~深煎り:力強いコクと甘味
◎「ケニア」の風土と豆の精製方法
「コーヒーの栽培に適した気候」で「ウォッシュド」精製された豆が「ケニア」の味の特徴を作り出している。
◎「ケニア」が存在感を増す背景
この2つの流れをおさえておく
・スペシャリティーコーヒー
・サードウェーブコーヒー
まずは実際に「ケニア」を一度、飲んで、楽しんで、体験してほしい。
今までのコーヒーのイメージをひっくり返してくれることうけあい。
また近年のコーヒーの潮流をおさえると、カフェやコーヒーショップに行った時のワクワク感が倍増する。
「ケニア」との出会いが、日常にちょっとした「華やかさ」をもたらしてくれる。
とりあえず一杯キメよう。
ではまた。