・・・よし。これで台無しだ。今までの苦労が水の泡だ。コーヒー農家さんに土下座だ。
しかし、そろそろドリップ工程に入れそうだ。
今日のテーマはコーヒーを抽出する際の「お湯の温度」
実際にドリップをする工程の直前の話。
ずばり「抽出時のお湯の温度は何度がいいか」
もったいぶらずに、いつもどおり結論。
「85℃〜92℃」の間で温度はコントロールする。
この点を意識すると、かなり味が安定してくる。
コーヒーを淹れるようになったばかりの頃「なぜこんなにも毎日味が変わるのか」と考えていた。
試行錯誤して、コーヒーの抽出に関する本をよんだりした。
「どうやら温度が味に与える影響が予想以上に大きいらしい」
そこで「調理用の温度計」を買った。湯温を計ることを習慣にした。
するとかなり味が安定するようになった。
人生「適当にしておけばいい」ことは意外と多い。
ただし「おいしいコーヒーを飲みたい」のであれば「ここ(お湯の温度管理)だけ」は本気をだしてほしい。
外せないポイントだ。
Contents
お湯の温度(抽出時)【コーヒーの基本】
本記事の内容
◎お湯の温度は「85℃〜92℃」
◎温度の使い分け
◎ドリッパーを温める
◎まとめ
お湯の温度は「85℃〜92℃」
お湯の温度は「85℃〜92℃」で調整する。
「高くても92℃」を目安にする。
ここは最大限に気をつかうポイント。
以前に他の記事でも書いた。
hack
-
ここだけ押さえる【コーヒー初心者】
続きを見る
大切だから何度も書く。
「コーヒーの味が安定しない」のみならず、場合によっては「マズく」なる原因の多くは「過抽出」だ。
「過抽出」とは「コーヒー豆の成分が、適正量を超えて抽出された状態」
「湯温」と抽出されるコーヒーの成分の「量」の関係はこのように整理できる。
・湯温が「高」ければ、コーヒーの成分はより「多く」抽出されやすくなる。
・湯温が「低」ければ、湯温が高い場合と比較して、コーヒーの成分はより「少なく」抽出されやすくなる。
かといって「俺はゴリゴリに濃いやつがいいんだ!」と沸騰中(100℃)の湯を注ぐのはNG。
それでは、なかなかおいしいコーヒーにたどりつくことは出来ない。
コーヒーの味は、単に「濃い/薄い」だけではなく、抽出される「酸味/苦味」のバランスも関係していることをおさえる。
つまるところ、高すぎる温度で過抽出されたコーヒーは「おいしいと感じる味の領域」からはみ出てしまう。
果ては「雑味」よばれる成分まで抽出され「苦味」や「エグ味」ばかりが強調された「謎の黒い液体」ができあがる。
こうなったらジ・エンドだ。
コーヒー農家さんに土下座だ。
だから、お湯の温度は「85℃〜92℃」で調整する。
「ここテストでます」というか「氏名欄に書いてもいい」くらい重要だ。
ここだけ忘れないように。
温度の使い分け
お湯の温度を「85℃〜92℃」で調整できてくると、コーヒーの出来上がりの味が大きくぶれる頻度はかなり少なくなる。
少し踏み込んで「温度の使い分け」の整理をする。
まず、さっき整理した内容の確認。
・湯温が「高」ければ、コーヒーの成分はより「多く」抽出されやすくなる。
・湯温が「低」ければ、湯温が高い場合と比較して、コーヒーの成分はより「少なく」抽出されやすくなる。
次に「温度により調整できる味の特徴」は一般にこのように整理される。頭に入れておく。
・濃度感を出し「苦味」を強調したい場合
→比較的高温で抽出する。例えば92℃
・濃度感をおさえて「酸味」を強調したい場合
→比較的低温で抽出する。例えば85℃
最適な温度というのは「好み」や「どんな豆を選んだか」によって変わってくる。
とりあえず以下を目安に、調整をしていくといい。
「苦味系の豆」→ 92℃
「酸味系の豆」→ 85℃
同じ豆、同じ挽き方、でも温度を変えると味が驚くほど変わる。温度を意識し、変化をつけながら何度も入れ続けていると、少しずつ感覚がつかめてくる。
いずれにしても、過抽出を防ぐ観点から「高温になりすぎない」という点は気をつける。
「沸騰」している状態から2〜3分程度時間をおき、温度下げてから抽出を開始すれば、そうそう失敗することはなくなる。
ここまでくると、やはり「温度計」の必要性を感じてくる。
手頃な調理用温度計は種類も豊富にあるので、ぜひ用意しておくことをおすすめする。
タニタ スティック温度計その日の気分で「苦味を強調しよう」とか「今日は酸味の気分だ」といった感じで味の調整ができるようになると、さらにコーヒーを淹れるのが楽しくなってくる。
ぜひこの感覚を早くつかんでほしい。
ドリッパーを温める
ここも重要なポイントの一つ。
ドリップをする時「ドリッパーを温めておく」ことを忘れないように。
理由は想像できると思うが、念の為に書いておく。
ドリップをする際に「ドリッパー」に「ペーパーフィルター」をセッティングする。
すぐに挽いたコーヒー豆を投入・・・といきたいところだが、ちょっとまて。
挽いたコーヒー豆を入れる前にすべきことがある。
それは「ドリッパーを温めておく」ことだ。
せっかく「湯温」の調整をしていたとしても、抽出開始時に「ドリッパー」が冷えていれば、結局、湯温は下がる。こうなると安定しておいしいコーヒーを淹れることはむずかしい。
「ドリッパー」の材質により、温まりやすい(冷えやすい)かどうかは変わるものの、まずは事前にドリッパーを温める必要性をおさえておく。
コーヒー豆を投入する前にドリッパーに湯を注いで、しっかりと温まったかどうか、実際に触って確認をする。
ドリッパーが十分に温まっていることを確認できたら、コーヒー豆を投入し抽出を開始する。
ちなみに「コーヒーが口に入るまでに温度が下がらないように」という理由から「コーヒーカップ」も事前にお湯で温めておくといい。
ここまで配慮できれば「温度」が原因のトラブルはほとんどなくなるはず。
まとめ
◎お湯の温度は「85℃〜92℃」
・「湯温」の管理不足で過抽出の「まずいコーヒー」になったら、コーヒー農家さんに土下座もの。
◎温度の使い分け
・濃度感を出し「苦味」を強調したい場合
→比較的高温で抽出する。例えば92℃
・濃度感をおさえて「酸味」を強調したい場合
→比較的低温で抽出する。例えば85℃
◎ドリッパーを温める
・抽出開始まえに「ドリッパー」と「カップ」も温めておくことを忘れずに。
ここまでできると、かなり失敗は少なくなる。
「ドリップ」は世界中からやってきたコーヒー豆の能力を引き出す最終工程。
その中でも、抽出時の「お湯の温度」はめちゃめちゃ大事。まずはここを理解してくれ。
コーヒー農家さんに土下座をかますことがないように!!!!
ではまた。